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小林よしのり
2019.12.27 11:11日々の出来事

性交承諾書と言い出した阿呆議員

伊藤詩織、勝訴に反発して、「これからは“性交承諾書”
が必要になる」と言い出した豊島区議がいると聞いて
驚いた。
「恋をして結婚したい男女にとって最悪な判決です」
なんて言ってるらしい。
これもまた庶民の常識というバランス感覚を失った
男の一人である。

この男が未婚か既婚か知らないが、恋をしたらレイプ
して結婚するものだと思っているのだろうか?
既婚者だったら、奥さんが気の毒だな。

同意があって性交したのに、あとでレイプだったと
言い出す者がいたら、それは相当悪質な人間である。
痴漢冤罪は確かにあるから、双方の主張をしっかり
確認しなければならない。

伊藤氏の裁判の場合、双方の主張を比較すると、
圧倒的に伊藤氏の方に信憑性があると誰もが思って
いる。
見た目も非常に大事で、「嘘を言ってなさそう」、
「嘘を言ってそう」という庶民の直感も侮れない。
案外、それが当たっていることは多い。

双方の主張を検討した者から言えば、山口敬之の主張は、
はっきり言って、無茶苦茶。
レイプ事件に、女性の過去の職業や、現在の政治的主張
など、何も関係ないし、例え女性がビッチであっても、
レイプはレイプ!同意なき性交は悪である!
裁判にそんなものを持ち出してくること自体が、自らの
信憑性を崩壊させている。
常識がないから墓穴を掘るのだ。

さらに小川榮太郎の山口擁護が、もう狂っているレベル
で、この狂いっぷりを花田紀凱が分からないのだから
尋常ではない。
結局「HANADA」という雑誌自体がオウム真理教と
似たレベルのカルト信者の溜まり場となっているのだ。
自分たちの言論がカルト化しているという事態が見え
なくなってしまうのだろう。

常識と非常識、良き慣習と悪しき因習の区別をつける
のが保守の要諦だ。
これは「時処位」の認識と共に変化するから、時代を
俯瞰して見て、どこまでリベラルを取り入れるかを、
考慮し続けなければならない。
だからわしはフェミニズムに警戒しつつ、「女性の
地位向上」は国家の永続のために絶対に必要だと
考える。

イデオロギーは拒否する。とことんバランス感覚で
捉えていく。
そして一旦、未来を見通すと、案外過激に見えるほど
の主張を唱え始める。
「女性の地位向上」では、クオータ性もまだ男尊女卑
の差別の範疇だと思っている。
これが真の保守の姿だと、必ず証明される日が来る
だろう。

小林よしのり

昭和28年福岡生まれ。漫画家。大学在学中にギャグ漫画『東大一直線』でデビュー。以降、『東大快進撃』『おぼっちゃまくん』などの代表作を発表。平成4年、世界初の思想漫画『ゴーマニズム宣言』を連載開始。『ゴーマニズム宣言』のスペシャル版として『差別論』『戦争論』『台湾論』『沖縄論』『天皇論』などを発表し論争を巻き起こす。
近刊に、『卑怯者の島』『民主主義という病い』『明治日本を作った男たち』『新・堕落論』など。
新しい試みとしてニコニコ動画にて、ブロマガ『小林よしのりライジング』を週1回配信している。
また平成29年から「FLASH」(光文社)にて新連載『よしりん辻説法』、平成30年からは再び「SPA!」(扶桑社)にて『ゴーマニズム宣言』、「小説幻冬」(幻冬舎)にて『おぼっちゃまくん』を連載開始し話題となっている。

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